ウリン(アイアンウッド) – 最も耐久性・耐腐朽性に優れたウッドデッキ材。

ウリンは「アイアンウッド」とも呼ばれ、その高い耐久性からウッドデッキ材に最も向いている木材といわれています。美しい木目と深い赤褐色の木色をしており、メンテナンスフリーで半永久的に使用することができます。

ただし密度が高く硬いので加工が難しく、DIYの初心者には不向きだと思います。価格も他のウッドデッキ材に比べて高めになっています。

このページはこんな人におすすめ
  • 価格はこだわらないのでとにかく丈夫なウッドデッキを作りたい
  • メンテナンスフリーで長く使えるウッドデッキにしたい
  • DIYには自信があるので加工性が悪くても大丈夫

ウリン(アイアンウッド ・ ビリアン)とは

ウリン写真1

ウリンはインドネシア・マレーシアのボルネオ島だけに生育しているクスノキ科の樹木で、原木は直径60cmくらいで、高さは30m程度の中型の大きさの部類に入る樹木です。

「鉄の様に強い」ことからアイアンウッドと名付けられており、現地では「生涯腐らない木」と呼ばれています。

ウリンは、狂いや伸縮がほとんどなく、また水に対する耐久性・相性は世界一と言われています。1996年に日本への輸出が始まり、以来、その高い耐久性から人気急上昇中の素材です。ウッドデッキ材に適したハードウッド材は、いくつかありますが、その中でも一番ウッドデッキ材に向いている木材がウリンといわれています。

参考記事
耐久性に優れたハードウッド

ウリンの特徴

ウリン写真2

ウリンは別名(アイアンウッド)と呼ばれるように、まるで鉄の木のように、腐りにくく抜群の耐久性を持つ木材です。防虫効果も高く、防腐塗料を使用しなくても、屋外で安心して使用が出来る木材です。

日本では、1996年に輸入が解禁され、浮き桟橋や公園、遊歩道など多くの公共工事に使用されています。その高い強度、耐久性に注目され始め、最近では住宅用ウッドデッキに使用されるようになってきました。

ウリンは海沿や湿気が多い使用環境での使用例が多く、インドネシアなどの現地では、カヌーや屋根板なども使用されているほどです。

ウリンの長所

強度・耐久性・耐腐朽性に優れる

ウリン材(アイアンウッド)はサイプレス、イペと並び、世界で最も耐久性・耐腐朽性に優れた木材。また、ウリン材は木の密度が高く硬いため強い強度も兼ね備えています。その耐久性は、港のデッキなどの、常に水のかかるような場所でも20〜40年は持つと言われており、水中の使用にも耐えることができます。

強力な抗菌性・防虫性・防腐性

ウリン材(アイアンウッド)には、ブドウやワインなどに含まれている「ポリフェノール」が樹液中に約14%と大量に含まれています。このポリフェノールは、強力な抗菌・防腐作用を持っており、ウリンは、バクテリアの繁殖を抑え、高い抗菌性・防虫性・防腐性を発揮することができるのです。特に、フナクイ虫に対しても抵抗力があり、水辺での使用には最適の木材です。

優れた寸法安定性

ウリン材(アイアンウッド)は、材質がとても安定しており、変形を起こしにくい上に干割れ、ねじれ、曲がり等の狂いが少なく、寸法安定性に優れたウッドデッキに最適な木材です。

メンテナンス不要

ウリン材(アイアンウッド)は、高い耐久性・腐食性がありメンテナンスはほとんど不要です。一度施工してしまえば、半永久的にウッドデッキ材として使うことができます。

美しい木目、深い赤褐色の木色

ウリン材は、深い赤褐色の表面をしており、高密度の木材なので、表面は滑らかな木肌をしており、ウリン特有の美しさがあります。特に、サンダー仕上げした時の表面は、特に美しい仕上がりになります。

ウリンの短所

密度が高く硬いために加工が難しい

ウリン材(アイアンウッド)は、木の密度が高く硬い性質を持つため、加工が難しとういデメリットがあります。

通常の木材とは硬さのレベルが全く違い、プロの大工さんでも苦労するほどです。ましてや、普通の人がDIYでウッドデッキを作ろうとなると、加工にかなりの時間を費やすことになります。

ウリン材は普通のノコギリで切ることはできないほどの硬さで、超硬度刃物がついた電動工具道具を使用して加工する必要があります。

ビス(コーススレッド)止めに関しても、必ず下穴加工が必要になってきます。コーススレッド(ビス)の頭部分が飛び出したままだと、素足で歩くウッドデッキでは怪我をしてしまことがありますので、予め穴を開ける時、にコーススレッド(ビス)の頭部分が入るくらいの「皿取り加工」を施しておく必要があります。

ポリフェノールが染み出てくることがある

ウリン材(アイアンウッド)材には、ポリフェノールが含まれているため、施工当初(3ヶ月ほど)は、雨風によりポリフェノールを含む樹液が染み出てきて、ウッドデッキの周辺が汚れることがありますので、例えば車の上での使用や洗濯物の上での使用などはご注意ください。

ポリフェノールを含む樹液は、体に害はありません。汚れた部分は、デッキブラシ等を使い、中性洗剤で洗浄すると、ある程度汚れが落ちます。特に、汚れが酷い場合は、キッチンハイターなどの洗剤を使えば、きれいになります。

このポリフェノールを含む樹液は、3カ月ほどすればすべて出てしまうので、その後はウッドデッキ材周辺が汚れることはなくなります。

重いので、作業や運搬が大変

ウリンは水に沈むくらいの重量があり、加工、施工する時だけではなく、運搬時も重くて大変です。ウリン材を使ってDIYでウッドデッキを作る場合は、なるべく短い部材にして設計、施工する工夫が必要です。

ウリンの経年変化

ウッドデッキの施工直後のウリン材は、美しい飴色が特徴です。

ウリン材が、空気や紫外線に触れると、樹液に含まれる多量のポリフェノールが日光・酸素・水の影響で、より深みのある茶(こげ茶)色へと変化していき、最終的には、銀白色へと経年変化していきます。ただし、他のウッドデッキ材に比べると銀白色へと変わるのには時間がかかります。

経年変化により銀白化すると、細かなひび割れや微妙な反りが生じることがありますが、耐久性など強度上の影響はありません。また、ウリン材は、木材用保護塗料を塗ることで、樹液の染み出しを少なくし、銀白化を遅らせることができます。

ウリンのメンテナンス

ウリン材は、耐腐朽性に優れているので、防腐剤などの薬剤処理も必要のないメンテナンスフリーの木材です。一度ウッドデッキを、作ってしまえば、再塗装をこまめに行う必要もなく。半永久的に使用することができます。ただし、ウリン材はハードウッドの中でも特に、樹液が多く出る樹種になります。

樹液の成分は、ポリフェノールの一種で、人体に害を及ぼす物ではないのですが、ウリンの樹液(アク)が出てきて汚れてしまったら、漂白剤、中性洗剤で汚れを落とす事ができます。

ウッドデッキ材として販売されているウリン材は、耐腐朽性に優れているため、薬剤処理は一切されておらず、環境にもやさしい木材です。

ウリンの価格

ウリンは、密度の高い樹種の為、成長するには時間がかかります。成長前のウリンを伐採するのは制限されているため在庫も少なく、その為、他のウッドデッキ材に比べて、価格は高めになっています。

しかし、ウリン材は、防腐の為のメンテナンス費用が必要なく、また耐久性も高いのでトータルに費用で考えると、他のウッドデッキ材と変わらないくらいのコストで済ますことができます。

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